目が白い!「うちの子って白内障!?」

こんにちは。

さくらの森動物病院、院長の村山です。

 

今回は日常の診察で、飼い主様からよく頂く質問について書きたいと思います。

 

「最近うちの子の目が白い気がするんだけど、これって白内障??」

 

このような質問を多く頂きます。

視力の低下は日常生活の質に大きく関わるので、飼い主様としてはとても気になりますよね。 

しかし、この質問を受けたときに、白内障かどうかを即答するのは困難な場合が多いです。

 

 

そもそも白内障とは?

 

白内障は、眼球内の「水晶体」が混濁する病気です。水晶体の位置については、下の図をご参考下さい。

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水晶体は目の中でレンズの役割を果たしており、病気が進行すると、目の奥まで光が届かなくなり、結果的に視力の低下・喪失を引き起こします。

また、ブドウ膜炎や緑内障網膜剥離など、重大な合併症の原因にもなります。

 

 

白内障の検査はどうやるの?

 
上の図のように、水晶体は瞳孔の奥にあります。

瞳孔は光を当てると反射で縮小してしまうので、自然な状態では水晶体のほんの一部しか確認することができません。 

 

そういった理由で、白内障はパッと見では判断できません。

そのため、散瞳剤を点眼して、瞳孔を拡大させる必要があります。

散瞳させたら、スリットランプという機械を用いて、水晶体全体を観察します。

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目が白くても白内障とは限らない?

 

目が白く見える原因は、白内障以外にも様々なものがあります。

中でも白内障と間違われる事が多いのは、「核硬化症」という加齢による水晶体の変化です。

核硬化症は病気ではなく、加齢による生理的変化です。視覚に影響もありません。

※将来的に白内障を発症する可能性はあります。

 

目が白く見えるので、白内障検査をしたら核硬化症だった。というケースは、日常の診察において頻繁に遭遇します。

また、角膜表面や眼房水など、水晶体とは別の部分が白くなっているケースもあります。

 

 

気になったら検査を

 

進行した白内障は別として、初期段階の白内障は、しっかり検査をしないと診断できません。

最近、うちの子の目が白いような気がする・・・という方は、是非一度、眼科検査を行う事をお奨めします。